专利摘要:
炭素ソースと本質的に鉄と銅で構成されたプレアロイ合金粉末とからなる粉末金属の成形、焼結、鍛造の各工程を備えた、連接棒を製造するプロセスを提供する。このプロセスから作られた連接棒は、エンジンに用いるのに十分な硬度と強度を有し、追加の焼き入れや焼き戻しを要しない。
公开号:JP2011509348A
申请号:JP2010541495
申请日:2008-12-23
公开日:2011-03-24
发明作者:ウィリアムズ、レイ、ケイ;ゲイマン、ティモシー、イー;ドナルドソン、イアン、ダブリュ;ニコルス、ブランドン、エイ
申请人:ジーケーエヌ シンター メタルズ、エル・エル・シー;
IPC主号:B22F3-17
专利说明:

[0001] 関連する出願との相互参照
本願は、2008年1月4日出願の表題「プレアロイ銅合金粉末鍛造連接棒」なる米国暫定特許出願第60/019,122の優先権を主張し、その全内容は参照のためにここに組み込まれる。]
[0002] 連邦支援の研究開発に関する記載
非適用。]
[0003] 本発明は、全体的に連接棒に関する。特に、本発明は、合金粉末から作られる粉末鍛造連接棒を対象としている。]
背景技術

[0004] 往復ピストンと内燃機関エンジンにおいて、連接棒は、ピストンとクランクシャフトをつないでいる。各連接棒は、ピストン内のリスト・ピンに取り付けられるより小さな端部と、クランクシャフトに取り付けられるより大きな端部を有している。エンジンが高速で走行している場合、連接棒は激しい繰り返し応力にさらされている。連接棒が大きな強度と硬度を有することをアプリケーションが要求するので、これらの連接棒は、しばしば鋼鉄や合金鋼から作られる。加えて、連接棒とリスト・ピンとクランクシャフトの端部同士の精密な接続によってエンジンのスムーズな動作を確保することをアプリケーションが要求する。従って、連接棒の端部の内径は、精密な寸法が求められる。]
[0005] この材料的要求と機械的要求の組み合わせが、粉末冶金、特に粉末鍛造を、鋳造のようなより伝統的な製造方法以上に、連接棒を製造するためのポピュラーな製造方法にしている。鋳造部品は、連接棒に対して、十分な寸法制御を提供できない。加えて、鋳造部品は連接棒の強くて硬い材料を十分に機械加工することを要求する。寸法制御を出来ないことは、かなりの量の機械加工によって除去すべき材料があることを意味する。この機械加工は、実行するにはコストがかかり、スクラップ材を大量に発生させることになる。しかし、粉末冶金を用いて作った連接棒は、鋳造部品に較べてかなり大きな寸法精度を有している。この寸法制御の向上は、機械加工時に除去すべき材料の量を削減し、二次機械加工作業のコストを削減する。]
[0006] 粉末冶金を用いた連接棒の前処理は、複数のステップのプロセスである。第一に、しばしば潤滑油やワックスと混合して用いられる粉末金属が、金型セット内で押圧されて、圧粉成形体を形成する。この圧粉成形体は、次に、粉末金属の主成分の融点直下の温度で熱処理炉内で焼結される。高温下で連接棒が酸化されるのを避けるために、この焼結は、一般的に還元性雰囲気下で行なわれる。焼結した連接棒は圧粉成形体よりはるかに強度を増しているが、密度が十分に高くない。連接棒の密度が十分に高くないので、連接棒の強度は、十分ではない。密度をさらに高めるために、連接棒を粉末鍛造することができる。粉末鍛造の間、焼結した連接棒は金型に挿入されて、高温下で圧力にさらされる。高温下で圧力を加えることで、材料に塑性流動が誘発され、気孔の余剰分が除去されて、ほとんど十分に高密度になった連接棒が得られる。]
発明が解決しようとする課題

[0007] しかし、鋼鉄や合金鋼製の連接棒の場合、このほとんど十分に高密度の鍛造連接棒であっても、エンジンに用いるには適切ではないと考えられている。一定の温度以上に加熱した場合、一定量の炭素を含有した鋼鉄は、微細構造においてオーステナイト相を形成することができる。冷却時に、このオーステナイト相はマルテンサイト相を形成することができる。マルテンサイトと他に形成された相の量は、その部分の冷却プロファイルによって決定され、冷却される材料に対する温度、時間、変態図(TTTダイアグラム)を用いて見積もることができる。マルテンサイト相は非常に硬いが、また非常にもろい。このもろさのせいで、エンジンに用いた場合の繰り返し応力に耐えることができない。また、マルテンサイト相は硬くてもろいので、連接棒の機械加工性も低下する。このもろさを減らすために、連接棒は溶解温度以下の温度で焼き戻しして、炭素の拡散によって部分的にマルテンサイト相をパーライトやベイナイトに変換する必要がある。この相変態が鋼鉄を強化して、連接棒をエンジンに用いるのに適したものにする延性を増加させる。焼き戻し工程は、しばしば長い時間を必要とし、所望の微細構造と対応する材料特性を得るために必要なエネルギーを提供するために、かなりの出費を要する。]
[0008] プロセスのバリエーションに加えて、連接棒の材料特性の幾つかは、合金元素を加えることで変化する。幾つかの合金元素は、鋼鉄の材料特性を直接変化させ、他の合金元素は、望ましくない含有物の形成を防止する。また、ほとんどの合金元素又はそれらの組み合わせは、一定の範囲内でのみ効果を有する。合金元素やその組み合わせが、少な過ぎたり多過ぎた場合、微細構造や連接棒の特性に、望ましくない変化をもたらす。]
[0009] 合金元素は、粉末に混合することもできるし、鉄粉とプレアロイすることもできる。粉末の混合には、二つ以上の異なる粉末を機械的に混合して、それぞれの元の粉末の個別グレインを有する混合粉末を形成することが含まれる。その一方、プレアロイには、鉄粉への合金元素の化学的追加によって、単一グレイン内に鉄と合金元素の両方が含まれる粉末を形成することが含まれる。]
[0010] 鋼鉄と合金化できる1つの元素は、銅である。銅が粉末金属の構成要素であって、フェライト強化材として機能することは、周知である。多くの特許と特許出願が、鉄の粉との組み合わせで用いる混合粉末としての銅の使用を開示している。Akagiらの米国特許第6,391,083号や、Iliaの米国特許出願第09/919,426と11/253,298を参照されたい。特に、Iliaの特許出願は、連接棒の製造における鉄粉と銅粉の混合物の使用を開示している。]
[0011] 同様に、鋼鉄に他の合金元素に加えて銅をプレアロイすることも知られている。Kondoらの米国特許第3,901,661号は、0.5重量パーセント以下の炭素と、0.8〜5.0重量パーセントの銅と、0.1〜0.7重量パーセントのモリブデンと、0.6重量パーセント以下のマンガンからなる粉末鍛造用のプレアロイ鋼鉄粉末を開示している。Kondoの粉末から作られた部品は、粉末鍛造後に焼き入れされ、焼き戻しされて、十分な強度を得る(7カラム、15〜35行)。また、開示された範囲内のモリブデン含有量は、十分な硬度と強度を得るために必要なプレアロイ元素である(5カラム、35〜45行)。]
[0012] 従って、連接棒を作るためのより効率的なプロセスを提供することが望ましい。特に、連接棒を製造するための焼結時間と温度を低減することで、エネルギー消費を削減し、一方で十分な材料特性と機械的特性を有する連接棒を提供することが望ましい。]
課題を解決するための手段

[0013] 本発明は、本質的に鉄と銅からなるプレアロイ粉末を含む粉末金属から鋼鉄連接棒を製造するためのプロセスを提供する。]
[0014] 連接棒を製造するプロセスは、成形、焼結、粉末鍛造の各工程からなる。成形工程において、例えば混合黒鉛粉末のような炭素ソースと本質的に鉄と銅で構成されたプレアロイ合金粉末とからなる粉末金属が成形されて、圧粉成形体を形成する。オプションとして、他の粉末をこの粉末金属に混合することもできる。焼結工程の間、圧粉成形体は一定の時間にわたって高温で焼結されて、焼結体を形成する。焼結体は、圧粉成形体に較べて高密度ではあるが、鍛造材料と比較して、まだ相当量の気孔を有している。この気孔は、粉末鍛造工程の間に、著しく減少させることができる。粉末鍛造工程の間、焼結体は金型内に配置され高温下で機械的圧力にさらされる。高温下での圧力付与が、材料に塑性流動を誘発し、焼結体中の気孔の数が減少する。その上に、焼結体は金型内に置かれているので、連接棒の寸法ばらつきが制限され、最終製品の寸法精度が向上する。]
[0015] まったく予想外のことに、上記プロセスで作成した連接棒は、同程度かより少ない焼結時間と温度で、銅を混合した連接棒よりも硬度と強度が高い。また、鍛造連接棒のもろさを改善するための、例えば焼き戻しのような熱処理工程が不要である。焼き戻しは、使用前に連接棒の強度を増し、延性を向上させるために必要と考えられてきた。]
[0016] このプロセスで作成した連接棒は、結果的にエネルギー利用効率が向上した。このプロセスは、焼き戻し工程を省略できたのみならず、少ない焼結時間と低い焼結温度を可能にした。]
[0017] この連接棒を作成するプロセスと、結果としての連接棒は、多数の変形例を有している。例えば、粉末金属には、連接棒の機械加工性を向上させるために、硫化マンガンをさらに含めることができる。また、粉末金属には、鉄—銅プレアロイ粉末を補うために、銅粉末を含めることができる。当業者には既知の他の粉末も、本発明の粉末金属組成物に混合させることができる。]
[0018] 本発明は、多くの有利な点を有している。銅は鉄粉にプレアロイされているので、連接棒における銅の偏析が少ない。銅がプレアロイされているので、連接棒はより短時間により低温で焼結することができ、製品を生産するために必要なエネルギー量を削減することができる。しかし、このプロセスで作られた連接棒は、混合状態での銅の同様の重量パーセントを有する粉末から作られた連接棒と比較して、優れた材料特性を有している。このプロセスで作られた連接棒は、混合銅粉末を含む粉末を用いて作られた粉末鍛造材料よりも、大きな硬度と引張強度を有している。銅のプレアロイ化は、gravity feedshoesに共通している混合銅粉末の好ましくない偏析問題を排除する。]
[0019] 本発明の上記及びその他の特徴、及び利点は、次の詳細な説明から明らかとなるであろう。]
図面の簡単な説明

[0020] 連接棒の斜視図である。
単一焼結鍛造工程後の3重量パーセントの銅を含んだプレアロイ鉄粉末から形成された連接棒の梁断面の顕微鏡写真である。
二重焼結鍛造工程後の3重量パーセントの銅を含んだプレアロイ鉄粉末から形成された連接棒の梁断面の顕微鏡写真である。
単一焼結と回転鍛造工程後の3重量パーセントの銅を含んだプレアロイ鉄粉末から形成された連接棒の梁断面の顕微鏡写真である。]
実施例

[0021] 図1を参照して、連接棒10を示す。連接棒10は、ピストン端14とクランクシャフト端16と一体に接続した中央梁部12を有する。ピストン端14は、ピストンのリスト・ピンと接続可能な小さな孔18を有している。クランクシャフト端16は、エンジンのクランクシャフトと接続可能な大きな孔20を有している。エンジン使用時には、エンジン内のピストンを往復運動させる燃焼サイクルが、連接棒をクランクシャフト端16の位置で循環運動させる。] 図1
[0022] 連接棒10は、粉末金属プロセスで形成される。このプロセスは、一般的に成形、焼結、粉末鍛造の各工程を含んでいる。]
[0023] このプロセスの第一工程は、成形工程である。成形工程の間に、粉末金属材料は、最終的に望まれる連接棒より僅かに大きな圧粉成形体に成形される。成形は、一般的に粉末金属と治具と金型セットを含んだfeedshoeを有するプレス機によって行なわれる。金型の空洞を粉末金属で満たすために、feedshoeが治具の下部によって下端部が封止された金型の空洞上をスライドする。次に、feedshoeは、満たされた空洞の覆いを取り去るようにスライド戻しする。次に、プレス機の治具は、空洞内の粉末金属を圧縮して、圧粉成形体を形成する。最後に、治具の下半分が金型から圧粉成形体を放出する。]
[0024] 当然のことながら、成形工程の本質は、粉末金属をゆるい粒子状物質から単一の圧粉成形体へ変換することである。一般的な成形工程を上述したが、当業者には既知の種々の変形例も、本発明の範囲から逸脱することなく成形工程として採用することができる。]
[0025] 連接棒を形成するために用いられる粉末金属には、炭素ソースと、本質的に鉄と銅からなるプレアロイ粉末を含めることができる。これは、プレアロイ粉末が実質的に例えばモリブデンのような他の合金元素を含まないことを意味している。銅のプレアロイの1つの長所は、gravity feedshoeで銅の偏析が生じないことである。もし銅が別の粉末として混同されていた場合、feedshoeの循環運動が、銅粉末の偏析を生じさせる。この偏析は、部品全体に渡って、非均質な組成物を発生させることになる。特に、合金元素にわずかなパーセントの変更を行なった場合、材料特性に大きな変化をもたらすことになる。粉末金属の均質性を維持することが重要である。]
[0026] 粉末金属には、他の粉末として、限定するものではないが、硫化マンガン、グラファイト、銅の粉末を混同することができる。]
[0027] 硫化マンガンは、一般的に連接棒の機械加工性を向上させるために加えられる。小さな孔18と大きな孔20の内径は、寸法的に精密でなければならないので、それらはしばしば機械加工によって寸法調整される。また、孔20端の連接棒の端部は、一般的にバリ取りされて、ボルトによって再取り付けされるので、孔20の反対側のボルト孔は、孔が開けられている必要がある。従って、幾らかの硫化マンガンを含有することは、この機械加工をより容易にする。イオウ分が多すぎる場合、硫化鉄を形成することになり、材料の強度に悪影響をもたらすことがあるので、注意が必要である。従って、硫化マンガンの添加態様と、それが拡散する時間とに依存して、硫化マンガンの量を制限することが望ましい。]
[0028] 黒鉛を炭素ソースとして、成形体の強度を高めるために加えることができるが、他の炭素ソースも、利用することができる。加えて、独立した銅元素粉末も、プレアロイ粉末に混同してもよい。]
[0029] 粉末金属には、圧粉成形体を金型から取り出しやすくするためと、単一の成形体を形成しやくして、破壊することなく容易に取り扱えるように、ある程度の量の潤滑油や高分子接着剤を含めることができる。この潤滑油と高分子接着剤は、一般的に炭化水素であって、ある程度の量の炭素を提供する。]
[0030] ひとたび材料が圧粉成形体に成形されると、次にプロセスはオプションとして「焼尽」工程を含めることができる。この工程において、圧粉成形体は、焼結温度よりはるかに低温であるが、ほとんどの潤滑油と高分子接着剤を分解するには十分に高温の状態にさらされる。潤滑油と高分子接着剤の焼尽は、成形体内の炭素含有量を削減し、成形体の初期の弱い焼結工程を提供して、本来はもろい成形体の取り扱いを容易にする。]
[0031] 焼結工程の間に、成形体は熱処理炉に通されて、粉末金属の主成分の融点より低い温度で、圧粉成形体を焼結する。焼結工程は、温度に依存した拡散制御プロセスである。焼結温度での高拡散速度が、個々の粉末金属粒子を互いに結び付け(neck)、全体としての成形体の表面エネルギーを低減する。焼結工程が進むにつれて、粉末金属粒子間に形成された気孔の大きさが小さくなり、成形体は密度を増す。材料の損失無く密度が増加するので、成形体の寸法は縮小する。収縮量は、粉末金属の材料と、焼結時間と、成形体の形状に依存する。焼結工程の間に成形体の寸法は縮小し、鍛造工程の間に気孔率も減少するので、圧粉成形体を形成するために設計された治具は、所望の最終成形体よりわずかに大きな寸法を有している必要がある。]
[0032] 本願の発明者は、銅が混同されるのではなくプレアロイされた場合に、焼結工程の間に多くの有利な点が実現されることを発見した。銅がプレアロイされているので、焼結工程の間に、銅の元素粉末が鉄母材の中に拡散されて、所望の微細構造形態を達成するのを待つ必要が無い。従って、混同された銅は、焼結時間と温度を減少させることができる。焼結時間と温度の減少は、連接棒を生産するためのエネルギー消費量とコストを削減する。銅はフェライトの強度を高める働きがあるので、鉄母材内のプレアロイ銅は、連接棒の強度を高める。]
[0033] 焼結工程の後も、まだ成形体は十分に高密度化されていない。材料中の気孔は寸法が小さくなったものの、それらは内部空洞を形成する。これらの多孔質空洞を焼結工程で除去するためには、それらが空孔として材料から拡散して排出される必要がある。この空孔拡散が生じるほど十分に長く材料を焼結することは、非現実的である。成形体が十分に高密度化されていない場合、成形体の強度に悪影響を及ぼすので、問題となる。従って、連接棒として使用される前に、追加の工程が必要である。]
[0034] 焼結工程を繰り返すことで、混同粉末の十分な拡散を達成するプロセスも検討される。]
[0035] 残存した気孔を除去し、成形体の強度を増すために、プロセスにはさらに焼結成形体の粉末鍛造工程が含まれる。粉末鍛造工程において、焼結した成形体は金型内に置かれ、必要であれば加熱されて、相当の期間、機械的圧力にさらされる。昇温状態における圧力の付加は、成形体材料の塑性流動を誘発する。続いて、材料内に残存していた空洞は、大半が取り除かれて、ほとんど十分に高密度化された最終成形体が形成される。成形体は、所望の最終成形体の寸法となるように仕上げられた金型に挿入されるので、鍛造された成形他は、所望の最終成形体寸法に近い寸法を有する。]
[0036] 本発明のプロセスは、エンジンに使用するための十分な材料特性を有している連接棒に対する追加の熱処理を必要としないが、材料の微細構造や機械的特性を変更するために、成形体に熱処理や他の鍛造工程後の工程を施してもよい。]
[0037] 粉末鍛造工程の後に、成形体には補助的な機械加工処理が施される。連接棒の場合には、小さな端部と大きな端部の内径にこの機械作業が施され、バリを取り、キャップをベアリングし、ボルト孔を形成する。]
[0038] 図2ないし4を参照して、本発明に係る1つの粉末金属組成物の顕微鏡写真を示す。図2は、一度焼結され、次に粉末鍛造されたサンプルの微細構造を示している。図3は、二度焼結後に粉末鍛造されたサンプルの微細構造を示している。図4は、一度焼結され、次に回転鍛造されたサンプルの微細構造を示している。3枚の顕微鏡写真のそれぞれの粉末金属組成物は、3重量パーセントの銅と鉄を含んだプレアロイ粉末金属を有している。すべてのサンプルは、粒子境界と微細構造を明らかにするために、4パーセントピクラルと2パーセントナイタルを含んだエッチング液でエッチングされている。すべての顕微鏡写真には、バーの長さが40マイクロメータであることを示すスケール・バーを右下すみに有している。従って、平均粒子サイズは、およそ10から30マイクロメータである。] 図2 図3 図4
[0039] すべての顕微鏡写真は、微細構造がマルテンサイトを含んでいないか、あっても少ししかないことを示している。このマルテンサイトの欠如は、材料がもろくなく、エンジンに使用する前に追加の熱処理を必要としないことを意味している。その代わりに、微細構造には、パーライト(白い薄板状の粒子)とフェライト(硬い粒子)が含まれているのを見ることができる。ベイナイトも形成されている。加えて、細長い灰色の粒子には、硫化マンガン添加物が含まれていて、成形体の機械加工性を向上させている。マルテンサイトを含まない微細構造は、材料がもろくなく、従って、使用前にいかなる鍛造後の熱処理も要しないことを示している。]
[0040] 銅元素粉末、鉄と銅のプレアロイ粉末、プレアロイ粉末と元素粉末の混合物からなる多数のサンプルの機械的特性を測定した。第一のサンプルは、1パーセントのプレアロイ銅と、2パーセントの混合銅とを含んでいる。第二のサンプルは、2パーセントのプレアロイ銅と、1パーセントの混合銅とを含んでいる。第三のサンプルは、3パーセントのプレアロイ銅を含んでいる。3種のプレアロイ粉末のそれぞれの残りの材料は、鉄である。黒鉛と硫化マンガンも、それぞれの粉末金属に混同されている。サンプルはすべて成形され、次に華氏2080度で焼結されている。焼結工程の間、サンプルは華氏2000度を超える温度におよそ14分間さらされた。二度焼結鍛造サンプルは、再び焼結された。焼結工程の後、すべてのサンプルは粉末鍛造された。焼結鍛造サンプルと二度焼結鍛造サンプルは、焼結後華氏2080度で鍛造された。焼結回転鍛造サンプルは、一度焼結された後、華氏2125度で回転鍛造された。]
[0041] 表1は、種々の化学的性質を有する銅を含んだ5つのサンプルそれぞれの、耐破壊度を表わす最大負荷を示している。]
[0042] ]
[0043] 表1は、3パーセントすべてプレアロイ銅を含有したサンプルが、数パーセントの混同銅を含有したサンプルよりも、より大きな破壊前耐負荷を有することを示している。]
[0044] 表2は、サンプルの面取りをしていない側と面取りをしている側の平均表面硬度を示している。]
[0045] ]
[0046] 表2は、サンプル内のプレアロイ銅の量が増加するにつれて、平均表面硬度が高くなる傾向を示している。また、異なるサンプルの同一位置を測定して、二度焼結鍛造サンプルの表面硬度は、一度焼結鍛造サンプルより高いことが観察できた。また、各サンプルの同じ位置を測定して、焼結回転鍛造サンプルは、他の2つのプロセスのサンプルより高い表面硬度を有していた。]
[0047] 表3は、種々のプレアロイと混同銅材料から作られた連接棒の、種々の位置での鍛造後の密度と炭素含有量を示している。]
[0048] ]
[0049] 連接棒の同じ位置を測定した場合、すべての連接棒の鍛造後の密度は同様であった。特に、種々の化学的性質を有する粉末から作られた連接棒は、同様のプロセスで作成した場合、類似の鍛造後の密度を有している。サンプルがすべて同様の密度を有していることを考慮すると、表1と表2の機械的性質の差異は、密度が増加したことによるものではなく、むしろ本発明のプロセスの結果としての微細構造の差異によるものであると言う事ができる。]
[0050] 本発明は、連接棒に関してのみ記載されてきたが、連接棒を製造するための上記プロセスは、他の粉末金属成形体を加工するために利用することができる。このプロセスは、マルテンサイト変態を避けることにより、高い強度と良好な機械加工性を要求する粉末金属に対して最も価値がある。]
[0051] 本発明は、ここに記載した実施例や図面に限定されることなく、以下の請求項の範囲内にある他の実施例や、異なる実施例の要素の組み合わせからなる変形例を含むことが、特に意図されたものである。]
权利要求:

請求項1
炭素ソースと本質的に鉄と1から5重量パーセントの銅で構成されたプレアロイ合金粉末とからなる粉末金属を圧粉成形体へ成形する成形工程と、圧粉成形体を一定の時間焼結して、焼結体を形成する焼結工程と、塑性流動を含む鍛造を前記焼結体に行なうことで、連接棒を形成する鍛造工程と、を備えたことを特徴とする連接棒の製造方法。
請求項2
前記連接棒が、エンジンに用いる前に追加の熱処理を要しないことを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項3
前記連接棒を、鍛造工程の後であって、前記連接棒の熱処理の前に、エンジンに取り付ける工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項4
前記炭素ソースが、混合黒鉛粉末であることを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項5
前記粉末金属が、混合硫化マンガン粉末をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項6
前記粉末金属が、混合銅粉末をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項7
前記プレアロイ合金粉末が、本質的に鉄と約3重量パーセントの銅で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項8
前記連接棒が、実質的にマルテンサイトのない微細構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項9
前記焼結体を鍛造工程に送る前に、前記圧粉成形体を2度焼結する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項10
前記鍛造工程が、回転式鍛造炉床によって行なわれることを特徴とする請求項1に記載の連接棒の製造方法。
請求項11
請求項1に記載された連接棒の製造方法により製造された連接棒。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
Narasimhan2001|Sintering of powder mixtures and the growth of ferrous powder metallurgy
RU2280706C2|2006-07-27|Спеченное изделие на основе железа, содержащее медь, и способ его получения
US5754937A|1998-05-19|Hi-density forming process
US7393498B2|2008-07-01|Sintered metal parts and method for the manufacturing thereof
KR101245069B1|2013-03-18|분말 금속 기관 조성물
KR101399003B1|2014-05-27|개선된 분말 야금 조성물
JP2687125B2|1997-12-08|エンジン用バルブ部品に用いる焼結金属コンパクトおよびその製造方法。
DE60300224T2|2005-12-15|Sinterlegierung für Ventilsitze, Ventilsitz und Verfahren zu seiner Herstellung
JP3741654B2|2006-02-01|高密度鉄基鍛造部品の製造方法
JP5858921B2|2016-02-10|耐摩耗用途のための鉄系焼結粉末金属
US6332904B1|2001-12-25|Mixed powder metallurgy process
US20040182200A1|2004-09-23|Iron based sintered body excellent in enveloped casting property in light metal alloy and method for producing the same
JP4891421B2|2012-03-07|粉末冶金用混合物及びこれを用いた粉末冶金部品の製造方法
EP1619263B1|2019-04-24|Sintered valve guide and manufacturing method thereof
JP3191665B2|2001-07-23|金属焼結体複合材料及びその製造方法
US7300488B2|2007-11-27|Powder metal composition and method for producing components thereof
KR20020018169A|2002-03-07|철계 금속 분말 소결체, 이의 제조 방법 및 고강도와고밀도를 갖는 철계 소결체의 제조 방법
Samal et al.2015|Powder metallurgy methods and applications
KR0183390B1|1999-04-01|분말 야금학적 수단에 의해 제조된 성형품, 특히 소결합금의 캠, 및 그의 제조방법
RU2490353C2|2013-08-20|Низколегированный стальной порошок
KR101186445B1|2012-09-27|분말 단조 부재, 분말 단조용 혼합 분말, 분말 단조 부재의제조 방법 및 그것을 이용한 파단 분할형 커넥팅 로드
ES2347803T3|2010-11-04|Piezas metalicas sinterizadas y metodo para la fabricacion de las mismas.
DE602004005247T2|2007-12-20|Herstellungsverfahren eines Sinterkörpers
US9637811B2|2017-05-02|Iron-based sintered sliding member and production method therefor
US6905530B2|2005-06-14|Metallic powder-molded body, re-compacted body of the molded body, sintered body produced from the re-compacted body, and processes for production thereof
同族专利:
公开号 | 公开日
EP2231353A2|2010-09-29|
CN101918162B|2014-11-12|
EP2231353A4|2013-10-16|
WO2009088771A2|2009-07-16|
CN101918162A|2010-12-15|
EP2231353B1|2014-11-05|
US20110000457A1|2011-01-06|
US8935852B2|2015-01-20|
WO2009088771A3|2009-09-17|
JP5588879B2|2014-09-10|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
JPS61117203A|1984-11-09|1986-06-04|Toyota Central Res & Dev Lab Inc|Production of sinter forged parts|
JPH01165702A|1987-12-23|1989-06-29|Kawasaki Steel Corp|Manufacture of alloy steel sintered compact having high density and high strength|
JPH11302787A|1998-02-19|1999-11-02|Kawasaki Steel Corp|高強度焼結部品用合金鋼粉および混合粉|
JP2000282103A|1999-03-30|2000-10-10|Kawasaki Steel Corp|高強度焼結部品用鉄基混合粉|
JP2001279349A|2000-03-31|2001-10-10|Ntn Corp|銅被覆鉄粉を用いた焼結含油軸受材及びその製造方法|
JP2007284769A|2006-04-19|2007-11-01|Toyota Motor Corp|コネクティングロッドの製造方法およびコネクティングロッド|
JP2008013818A|2006-07-06|2008-01-24|Honda Motor Co Ltd|粉末鍛造部材、粉末鍛造用混合粉末および粉末鍛造部材の製造方法ならびにそれを用いた破断分割型コンロッド|JP2015513644A|2012-01-30|2015-05-14|メタルダイン,エルエルシー|コネクティングロッド及びその製造方法|
WO2016092827A1|2014-12-12|2016-06-16|Jfeスチール株式会社|粉末冶金用鉄基合金粉末および焼結鍛造部材|US3889350A|1971-03-29|1975-06-17|Ford Motor Co|Method of producing a forged article from prealloyed water-atomized ferrous alloy powder|
US3737301A|1971-12-30|1973-06-05|Bethlehem Steel Corp|Process for producing iron-molybdenum alloy powder metal|
US3901661A|1972-04-06|1975-08-26|Toyo Kohan Co Ltd|Prealloyed steel powder for formation of structural parts by powder forging and powder forged article for structural parts|
US4382818A|1975-12-08|1983-05-10|Ford Motor Company|Method of making sintered powder alloy compacts|
US4071354A|1975-12-08|1978-01-31|Ford Motor Company|Master alloy for powders|
US4069044A|1976-08-06|1978-01-17|Stanislaw Mocarski|Method of producing a forged article from prealloyed-premixed water atomized ferrous alloy powder|
US4093449A|1976-10-26|1978-06-06|Hoganas Ab, Fack|Phosphorus steel powder and a method of manufacturing the same|
DE3219324A1|1982-05-22|1983-11-24|Kernforschungsz Karlsruhe|Verfahren zur pulvermetallurgischen herstellung von formteilen hoher festigkeit und haerte aus si-mn- oder si-mn-c-legierten staehlen|
US4722209A|1986-04-11|1988-02-02|Inco Alloys International, Inc.|Apparatus and method for processing powder metallurgy tubing|
US5108493A|1991-05-03|1992-04-28|Hoeganaes Corporation|Steel powder admixture having distinct prealloyed powder of iron alloys|
US6074599A|1998-07-20|2000-06-13|Ghafari Associates, Inc.|Air quenching chamber|
TW533105B|1999-10-20|2003-05-21|Injex Corp|Method of producing watchband parts|
US6264718B1|2000-05-26|2001-07-24|Kobelco Metal Powder Of America, Inc.|Powder metallurgy product and method for manufacturing the same|
SE0002448D0|2000-06-28|2000-06-28|Hoeganaes Ab|method of producing powder metal components|
US6338747B1|2000-08-09|2002-01-15|Keystone Investment Corporation|Method for producing powder metal materials|
US6391083B1|2000-11-09|2002-05-21|Kobeico Metal Powder Of America, Inc.|Mixture for powder metallurgy product and method for producing the same|
WO2002090097A1|2001-04-27|2002-11-14|Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho|Procede et dispositif de remplissage de poudre composite, procede et dispositif de moulage de poudre composite|
US20030033904A1|2001-07-31|2003-02-20|Edmond Ilia|Forged article with prealloyed powder|
US6579492B2|2001-09-06|2003-06-17|Metaldyne Sintered Components, Inc.|Forged in bushing article and method of making|
JP3741654B2|2002-02-28|2006-02-01|Jfeスチール株式会社|高密度鉄基鍛造部品の製造方法|
DE602004017144D1|2003-03-18|2008-11-27|Sumitomo Metal Ind|Nicht abgeschreckte/getemperte pleuelstange und zugehöriges herstellungsverfahren|
US20060086204A1|2004-10-18|2006-04-27|Edmond Ilia|Impact of copper and carbon on mechanical properties of iron-carbon-copper alloys for powder metal forging applications|CN102947028B|2010-05-19|2015-09-02|赫格纳斯公司|铁粉冶金应用中用于改进的尺寸控制的组合物和方法|
DE102011075366A1|2011-05-05|2012-11-08|Robert Bosch Gmbh|Method for producing a hard metal workpiece|
JP5442145B1|2012-10-24|2014-03-12|Ntn株式会社|焼結軸受|
CN103521669B|2013-10-15|2016-08-24|武汉桂坤科技有限公司|发动机连杆粉末锻造的方法|
CN105134808A|2015-08-12|2015-12-09|苏州安特实业有限公司|一种轴套与板组合结构|
USD801151S1|2016-07-08|2017-10-31|Race Winning Brands, Inc.|I-beam connecting rod|
CN106670375B|2016-11-28|2018-08-03|重庆万斯金属特种成形有限公司|汽油机连杆的锻造方法|
法律状态:
2011-10-01| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110930 |
2013-10-02| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131001 |
2013-12-27| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20131226 |
2014-01-10| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140109 |
2014-01-23| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140122 |
2014-06-30| TRDD| Decision of grant or rejection written|
2014-07-16| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140715 |
2014-07-31| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140728 |
2014-08-01| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5588879 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
2017-08-01| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2018-07-31| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2019-07-30| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2020-07-29| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2021-07-28| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]